チョコ煮

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いろんな素材をチョコで煮ます

『精神科治療薬の考え方と使い方』第3版が届きました

長すぎたのでタイトルは若干端折ってます。

正確には下の表記です。

精神科治療薬の考え方と使い方 第3版 「ストール精神薬理学エセンシャルズ」準拠

精神科治療薬の考え方と使い方 第3版 「ストール精神薬理学エセンシャルズ」準拠

 

 

 以前(第2版まで)は下のようなタイトルだったのが、今回大きく変わっています。

 

ストール精神科治療薬処方ガイド 第2版

ストール精神科治療薬処方ガイド 第2版

 

 

私は第3版からの読者なので、比較してどうこう言うことはできませんが、第一印象は非常にカラフルかつアイコンが豊富。実は文章が多いのに、そのようなデザインなので、「読んでいる」というよりは「図を見ている」のに近い印象を受けます。

 

136種の薬物のうち、53種は本邦未発売ということで、国産の薬理の本で勉強した自分には初めて見る薬が結構あります。(初見ではないですが、例えばフルオキセチン、商品名プロザックとか)

 

また、ベンゾジアゼピン系の薬物が類書より少ないです。

その辺は『カプラン精神科薬物ハンドブック』第5版と比較しても少ないのですが、カプランの方には米国で使用できる主なベンゾジアゼピン系薬物の表と訳注の本邦で使用できる主なベンゾジアゼピン系薬物の表が載っており、もともと日本で使用できるものがアメリカよりずっと多いという事情がおそらくは関係しているものと思います。類薬があり過ぎて著者が絞ったのかもしれませんが。

 

他の特徴としては、FDAの承認ベースが緩いのかPMDAの承認がガチガチなのか知りませんが、日本での適応よりずっと広い範囲の使われ方をしているのが読み取れます。

まだ自分で飲んでる3、4薬程度しか読んでませんが、旧版が『処方ガイド』と題されていた関係もあってか、この本も薬物投与に関して結構詳しく書かれています。

具体的には各薬物に5つの項目、すなわち、

 

治療

副作用

投薬法と用量

特別な患者

精神薬理学技法

 

が書かれており、最後に参考文献があります。このうち最後の「精神薬理学技法」は著者の意見だそうですが、読んだ限りではまず妥当なことが書いてあるような気がします(というか、可否は専門家に任せるべき内容です)。

 

あと、分かりきったことかもしれませんが一応書くと、この手の訳書はただ訳してあるだけでなく、日本での適応や使用法が追加されています。これは原書をそのまま買った場合にはない大きな特徴です。特に用量や用法に人種差のある薬理学のような本で原書でなく訳書で買う際の大きなメリットとなります。

 

お値段がそれなりなのと、約868ページあるので持ち歩くのが大変なのとデメリットはありますが、精神薬理学に関してはカプランと同等かそれ以上の内容だと思います。

ただ、個々の薬物に対して詳しすぎるので、辞書がわりに使いたいところです。たぶん通読はしんどいと思います。

 

P.S.

訳者の仙波先生は第2版のAmazon.co.jpのカスタマーレビューを読んでらっしゃるようですね。詳しくは訳者序文にコメントが書いてありますが、ニヤリとさせられました。