読了:スタンド・バイ・ミー
今日ようやく読み終わったので記念に。一応申し上げますが、ネタバレ注意です。

- 作者: スティーヴン・キング,Stephen King,山田順子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/03/25
- メディア: 文庫
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原作はもちろん映画にもなり、そちらでも超メジャーな作品として認知されている作品。今回はその原作を読んだというわけです。
まえがきで自嘲気味に出てくるけれど、スティーヴン・キングといえば当代きってのホラー作家。そのホラーの気配が作品に微妙な影を落としている。なんというか、生臭い描写がありありと生々しく思える。
そんな中で四人のはかない友情(と別離)を描いているわけだが、私には子供時代クリスのような親友と呼べる人間はいなかったということが読んでて切なかった。
ゴミ捨て場やトレッスルでの危機、道中の夜明かしなどのエピソードは読んでて胸が躍り、四人の人間性・生活背景とそれらがやがてどんな未来をもたらすかは読んでて胸が締め付けられる。夏休みの最高の出来事は、あまりにもろく儚い地盤に立ち、やがて瓦解することを運命づけられている。見たくないのに現実として直視せざるを得ない。
「足を引っ張る」バーンとテディとは微妙な齟齬からだんだん疎遠になっていく様がとてもリアル。一方、エースとの対峙で最後まで一緒だったクリスとゴードンにも、あっけなく別れの時が訪れる。
大人になるのは何かを切り捨てていくということ、自分の人間関係は環境変化でいともたやすく崩れうること。当たり前なんだけど、その重みを再認識した一冊でした。