読了:「精神科のヒミツ」

精神科のヒミツ - クスリ・報酬・診断書 (中公新書ラクレ)
- 作者: 藤本修
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/11/07
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (1件) を見る
「ヒミツ」と書いてあるのでなんだろうと思って読んでみたが、基本的にはごく普通の本。ちょっとタイトルや帯が大げさだと思う。
扱っているテーマは「新型うつ」、「多剤併用問題」、「抗不安薬常用量依存」など、やや新しめの問題が多いが、まずまず分かりやすく書かれており、立場も常識的に感じた。
著者が産業医もしているせいか、診断書の章が非常に細かい。あと、うつ病についての記述が多い。
タイトル関係なく、精神科とその周辺事情が知りたいという方には基礎固めとしてお勧めする。
余談だが、「抗不安薬」とくくってしまうとタンドスピロン涙目だったり、催眠薬への言及が抜け落ちてしまうので、「ベンゾジアゼピン系抗不安薬・催眠薬」(?)とでもしたほうが良いかもしれない。ただ、こう書くと今度はゾピクロン、エスゾピクロン、ゾルピデムあたりがまた問題かもしれないが。
更にどうでもいい誤植だが「ベンゾジアゼピン」の「ジ」は「ヂ」ではないので注意。