「僕街」雑感と宮崎夏次系の衝撃
全体的に
「僕だけがいない街」、「微熱空間」(蒼樹うめ)、「僕は問題ありません」
のネタバレを含みますので、ここで線を引いておきます。
「僕だけがいない街」8巻でついに完結しました。

僕だけがいない街(8)<僕だけがいない街> (角川コミックス・エース)
- 作者: 三部けい
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2016/04/27
- メディア: Kindle版
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いろいろと言いたいことはありますが、とりあえず無事完結ということで、まずはめでたい話です。
とはいえ、
結局「リバイバル」は何のためにあったのか。
悟がマンガ家志望として生きていた、当初の「現実世界」はなかったことになりましたが、本当にそれでよかったのか。
そしてアイリとの邂逅にどのような意味があるのか。
ざっと挙げても大枠についてこれくらいの疑問を私は抱くのですが、それは些末なことなのでしょう。
最初2つの疑問は物語で描かれる世界に到達して一連の事件を解決するためのギミックだった言われればうなずくしかないですし、アイリについては「僕街」で2つの並行世界が存在したことの象徴という理解で自分としては消化しました。
「終わり良ければすべて良し」という言葉がこれほど似合う漫画もそんなにないかもと思います。
「微熱空間」第1巻 蒼樹うめ
白泉社「楽園」で連載されていることは知ってたのですが、単行本派の私は待ち状態。うめ先生といえば「ひだまりスケッチ」があまりに有名ですが、友人にこっちも面白いよ、と勧められて購入。ちなみに「ひだまりスケッチ」は実は未読。
一言でいうと、互いの親の再婚で出会ったほぼ同い年の(というのは問題発言ですが)女の子と男の子がいきなり姉弟となってさあどうしよう、という話です。
感想としては、えらいほのぼのしてんな、と。下手するとインセストタブーになりかねない題材ですが、そこはフレーバー程度で、徐々に距離を近づけていく2人の思考や行動がいちいちニヤニヤさせられます。
実はシリアスに、報われない三角関係を織り込んでたりもするのですが、今後どうなるのか楽しみです。
「僕は問題ありません」宮崎夏次系
読み終えて、久々にすごい人引いたな、というのが正直な感想です。
短編集ですが第1話の「線路と家」を読み終えた時点でKindle版の「変身のニュース」をポチり、今出ている他の3冊も書店で確保しました。
話のメリハリ、独特の世界観、かわいい女の子……と言ってしまうと一気にチープな表現に落ちてしまいます。もちろんそんな言葉のザルですくってしまうと大事な細部がすり抜けてしまうわけですが、それ以上私のボキャブラリーで言い尽くすことができないです。
これだから漫画を読むのがやめられないんですよね、と言いたくなる1冊です。